2ドア冷蔵庫が冷えるしくみ
冷蔵庫は「冷たさを作る」わけではありません。実際にしているのは熱の運搬です。庫内の熱を冷媒が外へ運び出し、本体の両側面から逃がしています。上段の冷凍室も下段の冷蔵室も、圧縮機(コンプレッサー)1台とファンモーター1台で冷やしています。画面をドラッグして回したり、2枚のドアを開けたりして見てみましょう。最後に、技術者が最もよく遭遇する症状を再現することもできます。
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1. 2ドア冷蔵庫:上が冷凍室、下が冷蔵室
まず冷蔵庫全体を見てみましょう。片側は切り開いてあり、中が見えます。もう片側は外箱のままです。上段が冷凍室、下段が冷蔵室で、どちらも周りを発泡断熱材で包み、外の熱を防いでいます。冷凍室の奥には冷却器(エバポレーター)があり、本体下部の背面には圧縮機(コンプレッサー)があります。次は、冷蔵庫が熱をどう運び出すかを見ていきます。
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本体は3層になっています。外側は塗装鋼板の外箱、内側は白い樹脂の内箱で、その間を発泡断熱材(断面図で見える薄い黄色の部分)が埋め、外からの熱が入り込むのを抑えています。凝縮器(コンデンサー)、結露防止パイプ、キャピラリーチューブ、サクション管(戻り管)、排水ホースはすべて発泡断熱材の中に埋まっているので、外からは見えません。
2枚のドアの裏には、周りをぐるりとドアパッキンが付いています。前側の部分にはマグネットが入っていて、本体前面の鋼板の枠に吸い付きます。後ろ側の蛇腹部分は伸び縮みするので、ドアが少しずれていてもしっかり密閉できます。パッキンが硬くなったり破れたりすると空気が漏れ、暖かく湿った空気が庫内に入り、ドアの縁に霜が付き、圧縮機(コンプレッサー)が止まらなくなります。
2. 冷蔵庫は「熱を運ぶ」機械
冷媒は密閉された配管の中を絶えず循環しています。冷凍室の奥にある冷却器(エバポレーター)で熱を吸収し、本体の両側面にある凝縮器(コンデンサー)で熱を放出します。熱が庫内から外へ運び出されるので、庫内は自然に冷えます。赤は高温・高圧、青は低温・低圧です。点の動きを追って、ループを1周たどってみましょう。
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p-h線図(圧力–エンタルピー線図、モリエル線図)で見ると、1サイクルは4つのステップに分かれます。① 圧縮:圧縮機(コンプレッサー)が仕事をし、ガスの圧力とエンタルピーがともに上昇します。② 凝縮:高圧のもとでまず温度が下がり、次に凝縮して液体になり、潜熱を放出します。③ 絞り:キャピラリーチューブ(毛細管)で圧力が急に下がります。エンタルピーはほぼ変わりませんが、液体の一部がすぐに気化してフラッシュガスとなり、温度は蒸発温度まで下がります。④ 蒸発:低圧のもとで沸騰し、熱を吸収します。R600a(イソブタン)を−25°Cで蒸発、40°Cで凝縮させる場合、低圧は約0.58 bar、高圧は約5.3 bar(絶対圧)で、高圧は低圧の約9倍です。
エネルギー保存の法則により、「凝縮器(コンデンサー)が放出する熱 = 庫内から吸収した熱 + 圧縮機がした仕事」となります。成績係数(COP)は「冷凍能力 ÷ 消費電力」です。−25°Cと40°Cの間では理論上の上限(カルノー)は約3.8ですが、実際の家庭用圧縮機では約1–2です〔機種・運転条件による〕。例えば消費電力80 W、COP 1.5の圧縮機なら、毎秒120 Jを庫内から運び出し、本体から200 Jを放出します。そのため、本体の両側が暖かいのは正常です。
以下は参考情報です。家庭用冷蔵庫の冷媒漏れはあまり多くありません(冷えなくなった冷蔵庫のうち、冷媒回路の故障は2割未満です)。修理するとしても、回路を開けると湿気や異物が入り、R600aが入った回路はそのままろう付けできないため、修理後まもなく再び故障することがよくあります。Fixesでは冷媒回路の修理は行わず、おすすめもしていません。故障を確認したら修理不能報告書を発行し、買い替えをおすすめします。
キャピラリーチューブを使う小さな回路では、冷媒量が非常に「シビア」です。家庭用冷蔵庫のR600aは通常数十gしかなく(銘板の表示に従う)、数g多くても少なくても冷え方に影響します。そのため冷媒を充填するときは十分に真空引きをしてから、冷媒充填用はかりで銘板の重量どおりに入れます。圧力計を見て見当で補充してはいけません。R600aは可燃性冷媒(A3分類)なので、作業時は換気し、火気を近づけず、適切な工具と手順で行います。
3. 圧縮機:冷媒を圧縮して高温にする
本体下部の背面にある黒い鉄製のケースが圧縮機(コンプレッサー)で、冷蔵庫全体の心臓部です。低圧で冷たい冷媒ガスを、高圧で高温のガスに圧縮します。側面の端子カバーの中には起動リレー(PTC式。起動の1–2秒だけ起動巻線に電流を流す部品)とオーバーロードリレー(過負荷保護装置)があり、起動を助け、焼損から守っています。十分に冷えると圧縮機は止まり、温度が上がってから再び運転します。グラフの下にある「圧縮機」の帯がオン・オフを繰り返す様子を見てみましょう。
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家庭用冷蔵庫の圧縮機(コンプレッサー)は、多くが全密閉型レシプロ圧縮機です。モーターとピストンが溶接された鋼製のケースに一緒に密閉されており、戻ってきた吸入ガスはそのままケース内に入ってモーターの巻線を冷やします。ケースの底には冷凍機油が入っており、吸入と吐出はそれぞれ1枚のリード弁で行います。R600a(イソブタン)が吸入ガス1 m³あたりに運ぶ熱量は、R134aの約半分しかありません。そのため同じ冷凍能力を得るには、R600a用圧縮機の押しのけ量を大きくする必要があります。2種類の冷媒では使う圧縮機も冷凍機油も異なるため、むやみに入れ替えてはいけません。
起動には起動リレー(多くはPTC式)とオーバーロードリレー(過負荷保護装置)を使います。PTC(正特性サーミスタ)は冷えているときは抵抗が低く(一般的に数Ωから数十Ω)、起動巻線に電流を流します。通電して1–2秒以内に発熱して高抵抗になり、自動的に起動巻線を切り離します。オーバーロードリレーはバイメタル板1枚でできており、電流が大きすぎたりケースが熱くなりすぎたりすると接点が開きます。停止後、キャピラリーチューブ(毛細管)を通して高圧側と低圧側の圧力が等しくなる(均圧)までには数分かかり、PTCも冷えるまで時間がかかります。均圧になる前に再起動すると、モーターが圧力差に負けて「ブーン」といううなり音がし、オーバーロードリレーが「カチッ」という音とともに開き、しばらくして再び起動を試みます。この間隔は保護器によって数秒から数分までさまざまです。起動リレーの故障なら、圧縮機を触ってもたいてい熱くありません。起動リレーの故障でも圧縮機の固着でも同じ音がするため、必ず起動リレーを外して振ってみます。中で「カラカラ」という音がすれば起動リレーの故障です。オーバーロードリレーが単独で壊れることはまれですが、ないわけではありません。インバーター圧縮機には起動リレーはありません。
巻線の測定:3本の端子ピンはC(共通)、S(起動)、R(運転)です。正常ならS–R = C–S + C–Rとなり、起動巻線の抵抗は運転巻線より大きく、一般的に十数Ωから数十Ωです〔機種による〕。各ピンとケースの間は、どれもMΩ単位の絶縁があるはずです。巻線が正常なのに起動しない場合は、起動リレー、オーバーロードリレー、電圧を確認します。起動リレーが正常なのに圧縮機が一瞬動いてまた止まり、本体が熱い場合は、圧縮機の故障(修理不能)の可能性が高くなります。運転電流は一般的に1 A以下です〔機種による〕。室温では圧縮機の運転率は約3–6割です。止まらずに連続運転している場合は、冷媒漏れ、放熱の状態、ドアパッキン、着霜を確認します。
4. 放熱:冷蔵庫の側面が熱くなる理由
この冷蔵庫の背面には、黒い網状の放熱器がありません。放熱パイプ(凝縮器、コンデンサー)は両側面の外箱の内側に貼り付けられ、発泡断熱材の中に埋め込まれています。さらに防露パイプが前面フレームの裏に埋め込まれていて、冷凍室の開口部と両室の間の仕切りを1周するように通り(実際の経路は機種によります)、ドア周りの前面フレームに水滴が付かないようにしています。高温の冷媒は通過しながら熱を放出し、少しずつ凝縮して液体に戻ります。そのため、両側面を触ると温かいのは正常です。両側面と天面はすき間なくふさがず、通気のためのスペースを空けてください。「室温」のスライダーを動かしてみましょう。室温が高いほど、圧縮機(コンプレッサー)の運転時間が長くなります。
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側面パネル式の凝縮器(コンデンサー)は、配管をアルミ箔で外箱の鋼板の内側に貼り付けたもので、そのすぐ裏は発泡断熱材の層です。側面パネル全体が放熱板となり、自然対流と放射で熱を逃がします。利点は、ほこりがたまりにくく、放熱ファンが不要で、背面がすっきりすることです。その代わり放熱性能はやや劣るため、凝縮温度を室温より高めにする必要があり、その差は約十数度です〔目安〕。そのため、側面パネルを触って室温より数度から十数度暖かいのは正常で、圧縮機(コンプレッサー)が動いているのに側面パネルが暖かくない場合が異常です。ただし、本体背面の圧縮機部分には、やはりほこりやペットの毛がたまることがあり、圧縮機が過熱する原因になります。圧縮機の問題と判断する前に、ここも確認してください。
凝縮器の中は3つの段階に分かれます。まず過熱ガスの温度を下げ、次に一定の温度で凝縮させて潜熱を放出し、最後に液体をさらに数度冷やします。これが過冷却です。過冷却が十分なら、キャピラリーチューブ(毛細管)に入るのは純粋な液体だけです。冷媒が不足すると凝縮器の出口にまだ気泡が混じり、キャピラリーチューブを流れる量が大きく減ります。冷蔵庫の両側を壁にぴったり付けたり、上に物を積み上げたりすると、凝縮温度と圧力がともに上がり、冷凍能力が下がって消費電力が増え、圧縮機の運転時間が長くなります。
ドア周りの前面フレームにある防露パイプは、通常は凝縮回路の一部です(電熱線を使う機種もあり、配管の順序や方式は機種によります)。理由は露点にあります。30°C、湿度80%の空気の露点は約26°Cで、これより低い温度の面にはすべて水滴が付きます。冷凍室ドアの縁は−18°Cの内箱(庫内の樹脂製の内壁)のすぐそばにあるため、温かい配管で温めておく必要があります。側面パネル式の凝縮器も防露パイプも発泡断熱材の中に埋め込まれているため、漏れるとその場での修理は非常に困難です。一般的には元の配管をふさぎ、外付けの凝縮器を追加で取り付けます〔状況による〕(参考情報:Fixesでは冷媒回路の修理は行いません)。防露パイプが回路から外されると、ドアの縁に水滴が付くことがあります。
5. キャピラリーチューブ:一気に減圧
液体の冷媒は、まずフィルタードライヤー(冷媒の水分とごみを取り除くろ過器)を通り、次につまようじより細いキャピラリーチューブ(毛細管)に押し込まれます。管が長く細いため、出口の圧力は約0.6 bar(大気圧よりも低い値)まで急降下し、冷媒はすぐに沸騰して、温度は約−25°Cまで下がります。キャピラリーチューブは長い区間にわたって吸入管(サクションパイプ)に沿わせてろう付けされ、互いに熱を交換します。
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キャピラリーチューブ(毛細管)は固定式の絞りです。内径は一般的に約0.6–0.8 mm、長さは約2–4 mで〔機種による〕、長さと内径の組み合わせで流量が決まります。内径の影響は非常に大きく、大まかに見積もると、同じ流量に必要な長さは内径の4–5乗にほぼ比例します。内径が1割大きくなると、長さを約5割延ばさないと釣り合いません〔概算〕。そのため、キャピラリーチューブを交換するときはメーカーの仕様どおりにし、適当な長さに切って使ってはいけません。
キャピラリーチューブは通常、吸入管(サクションパイプ)にろう付けされるか、その中を通されていて、液ガス熱交換器を構成しています。凝縮40°C、蒸発−25°Cで見積もると、予冷しない場合、R600a(イソブタン)はキャピラリーチューブを出た時点で約4割がすでにフラッシュガスになっており、このガスはもう熱を吸収できません。吸入管で液体を予冷すればフラッシュガスが減り、冷媒1 kgあたり約2–3割多く熱を吸収できます〔推定〕。同時に吸入ガスは室温近くまで温められるため、圧縮機(コンプレッサー)に近い部分の吸入管には、霜が付いたり結露したりしないはずです。
R600aの大気圧での沸点は約−11.7°Cです。これを−25°Cで沸騰させるには、圧力を大気圧より低くする必要があり、絶対圧で約0.58 bar、ゲージ圧では約−0.43 barになります。そのため、正常運転中の低圧側の圧力計は「真空」の値を示します。運転中に低圧側で漏れがあると、冷媒が噴き出すのではなく、空気と水蒸気が吸い込まれます。停止してしばらくたち、高圧側と低圧側の圧力が等しくなると(均圧。室温で絶対圧約3–4 bar)、圧力が大気圧より高くなるため、冷媒が漏れ出します。吸い込まれた水蒸気がキャピラリーチューブの出口で凍ると、「冷えたり冷えなかったり」を繰り返します(氷詰まり)。フィルタードライヤー(冷媒の水分とごみを取り除くろ過器)やキャピラリーチューブの入口に霜が付いていれば、ごみ詰まりです。漏れ修理の後は必ずフィルタードライヤーを交換し、十分に真空引きをします(参考情報:Fixesでは冷媒回路の修理は行いません)。
6. 冷却器:冷凍室の奥で熱を吸収
冷却器カバー(冷凍室の奥にある背面パネル。冷却器を覆います)の裏には、アルミフィンがたくさん付いた冷却器(エバポレーター)が隠れています。非常に冷たい冷媒がその中で沸騰して気体になり、通過する空気の熱を奪います。熱を吸収した冷媒は吸入管(サクションパイプ)を通って圧縮機(コンプレッサー)に戻り、再び1周します。
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冷却器(エバポレーター)の中に液体が残っている限り、冷媒は一定の温度で沸騰し、その温度は圧力だけで決まります。R600a(イソブタン)では、0.58 bar(絶対圧)が約−25°C、0.47 barが約−30°Cに相当します。つまり低圧がわかれば、蒸発温度がわかるということです。冷凍室の空気は一般的に−18°C前後にする必要があり、熱が流れ込むためには、冷却器はそれより約7度から十数度低くなければなりません〔目安〕。
熱の吸収は主に潜熱によるものです。R600aは1 kgが気化するときに約300数十kJの熱を吸収し、これは単に温度が上がるときの吸熱よりはるかに大きな量です。液体は冷却器の中を流れながら沸騰して減っていき、出口でちょうど蒸発しきるはずで、さらに少し熱を吸うと過熱(スーパーヒート)状態のガスになります。家庭用の回路には過熱度を調整する膨張弁がないため、出口にアキュムレーターを設けて蒸発しきれなかった液体を受け止め、液体が圧縮機(コンプレッサー)に戻らないようにしていることがよくあります。
冷却器カバー(冷凍室の奥にある背面パネル。冷却器を覆います)を外して、霜の付き方を見ます。冷媒量が適正なら、冷却器全体に入口から出口まで均一に薄い霜が付きます。圧縮機は動いているのに、冷却器の入口側の1–2列にしか霜が付かず、残りには付いていない場合は、まず下の銅管を触ります。指が張り付くほど冷たければ、除霜センサー(除霜サーモ。冷却器の温度を検知し、霜が溶けて温まると除霜ヒーターを止めます)を確認します(修理可能)。張り付かなければ、冷媒不足、キャピラリーチューブ(毛細管)の半詰まり、または圧縮機の能力低下で、3つとも冷媒回路の問題のため、Fixesでは修理しません。霜がまったく付いていない場合は、冷媒がすべて漏れたか、キャピラリーチューブが完全に詰まっています。冷媒が多すぎるか熱負荷が小さすぎると、霜は吸入管(サクションパイプ)まで広がります。冷却器のアルミ管と銅管の接続部に腐食や油のしみがないか、特に注意して見てください。油のしみはたいてい漏れの箇所です。
7. 冷気:1台のファンで両室を冷やす
冷却器(エバポレーター)の上にはファンモーターがあり、冷気を冷凍室に吹き込むと同時に、背面パネル内の冷気ダクトを通して下段の冷蔵室へ送ります。一般的には、冷気ダクトの大きさとサーモスタット(または機械式ダンパー)で冷気を配分します。一部の機種では冷気ダクトの上部に電動ダンパー〔機種による〕があり、下段の温度に応じて開度を大きくしたり小さくしたりします。実は下段には専用の冷却器がなく、上から吹き下ろされる冷気だけで冷えています。「冷蔵室ドア」を押して開けてみましょう。冷蔵室のドアスイッチが戻ると、すぐにファンモーターが止まって照明が点灯します。冷気を外へ吹き出してしまわないためです。
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ファン式(間冷式)冷蔵庫(ファンで冷気を循環させ、自動で除霜するため霜取りが不要な冷蔵庫)は強制対流を利用しています。冷却器(エバポレーター)は食品に直接触れず、熱を「運ぶ」のはすべてファンモーターの役目です。ファンモーターには交流のくま取りモーターのものも、12 VのDCブラシレスモーターのものもあります〔機種による〕。一般的な設計では、ファンモーターは圧縮機(コンプレッサー)と一緒にオン・オフします。除霜の後はファンモーターの始動を少し遅らせ、冷却器が再び冷えてから送風して、暖かく湿った空気や水滴を庫内に吹き込まないようにしています〔機種による〕。
なぜドアを開けるとファンモーターを止める必要があるのでしょうか。ファンの羽根が回るとポンプのように働き、ドアが開いていると冷たい空気を外へ押し出すと同時に、室内の暖かく湿った空気を吸い込んでしまいます。30°C、湿度80%の空気は1 kgあたり約21 gの水分を含みますが、−18°Cの冷凍室の空気は最大でも約0.8 gしか含めず、余った水分はすべて冷却器で霜になります。この機種では、冷蔵室にある1個のドアスイッチがファンモーターと照明の両方を制御しています。ドアを閉めるとドアスイッチが押され、ファンモーターが回って照明が消えます。冷蔵室のドアを開けると、ファンモーターが止まって照明が点きます。ドアスイッチが壊れることはまれですが、壊れると機械はドアが閉まっていないと判断し、ファンモーターが回らず照明が点きっぱなしになり、冷蔵室がまったく冷えなくなることがあります。ドアスイッチが「ドア閉」の位置で固着すると、ドアを開けてもファンモーターが送風を続けるため、霜が特に早く付きます。
冷凍室が上にある2ドア冷蔵庫では、一般的に冷気ダクトの大きさとサーモスタット(または機械式ダンパー)で冷気を配分します。電動ダンパーを使う機種もあります〔機種による〕。小さなモーターでダンパーの板を動かし、制御基板(PCB)が下段の温度センサー(多くはNTCサーミスタ)の値に応じて開度を大きくしたり小さくしたりします。NTCの点検:温度が低いほど抵抗は大きくなります。例えば電子制御の機種では、錠剤形の除霜センサー(除霜サーモ。冷却器の温度を検知し、霜が溶けて温まると除霜ヒーターを止めます)は室温で約2 kΩ/5 kΩ/10 kΩ(タイプによる)、正常なら最大でも数十kΩです。100 kΩを超えるか、OL(テスターの表示で、導通なし)なら故障です。また、機種によっては「冷凍室」のダイヤルが実はダンパーを調整するだけのものがあり、最も冷える設定にすると、かえって下段への冷気が減ります。そのため、まず設定を確認してから故障かどうかを判断します。
8. 自動除霜:手作業の霜取りは不要
空気中の水蒸気は、冷却器(エバポレーター)の表面に少しずつ着霜します。一定時間ごとに除霜タイマーまたは制御基板(PCB)が圧縮機(コンプレッサー)を止め、冷却器の下にある除霜ヒーターに通電して、霜を溶かして水にします。グラフに注目してください。霜が溶けきるまでは冷却器の温度は0°C前後にとどまり、溶けきってから上昇します。除霜センサー(除霜サーモ。冷却器の温度を検知し、霜が溶けて温まると除霜ヒーターを止めます)が十分に温まったことを検知すると、除霜ヒーターを切ります。水は除霜水受けの排水口から排水ホースを通って本体下部の蒸発皿(除霜水をためて蒸発させる受け皿)へ流れ落ち、圧縮機の熱で蒸発します。
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霜が付くのは凝華(以前は「昇華」と呼ばれていました)によるものです。水蒸気が液体を経ずに、0°Cより低い面で直接氷の結晶になります。霜の中にはすき間が多く、密度は氷の数分の1から10分の1程度しかないため、氷よりはるかに熱を伝えにくくなります。そのため薄い層でも布団のように冷却器(エバポレーター)を包んでしまい、さらに成長すると厚い霜の層になって、アルミフィンの間の風の通り道をふさいでしまいます。下段から戻る空気が最も湿っているため、冷却器の空気の入口側(通常は下部)から先に霜が厚く付きます。
タイマー式の機種では除霜タイマーが時間を計ります。約8–10時間冷却するごとに〔機種による〕、15–30分間の除霜に切り替わります。電子制御の機種では「適応除霜」ができます。前回の除霜で除霜終了温度に達するまでにかかった時間を見て(ドアの開放時間も加味する機種もあります)、次の間隔を自動的に延ばしたり縮めたりします。220 Vのメイン除霜ヒーターは一般的に100数十から400数十Ωです(例:Samsungの230 V・130 Wのものは約400 Ω)。銘板の値からR = V²/Pで計算して照合します。低出力の補助ヒーター(ある場合)は約数kΩです。OL(テスターの表示で、導通なし)なら断線です。除霜が終わってもさらに数分間の「水切り時間」があり、その後に圧縮機(コンプレッサー)が起動し、ファンモーターはさらに少し遅れて回り始めます。
除霜を終わらせるのは、冷却器の出口配管に取り付けられた除霜センサー(除霜サーモ)で、バイメタル式か、電子制御の機種ではNTCサーミスタです。十分に冷えたとき(約マイナス数度)にだけ接点が閉じ、約+5°C以上に上がると接点が開きます〔実際の値は機種による〕。ポイント:室温ではバイメタル式の除霜センサーはもともと接点が開いた状態なので、導通なしと測定されても故障とは限りません。正しく測るには再び冷やす必要があります。回路には通常、バックアップとして温度ヒューズも入っています。一度切れると元に戻らない部品で、切れると二度と除霜しなくなります。除霜水受けや排水ホースが凍って詰まると、溶けた水が逆流し、冷凍室の底で凍ったり、下段に流れ込んだりします。
9. よくある故障:上段は冷えるのに下段の冷えが悪い
「上段は冷えるが下段の冷えが悪い」は、お客様から最もよく聞く症状の一つです。ここでは最も多い原因である除霜系統のトラブルを再現します。除霜ヒーターが断線して霜が溶けず、日に日に増えて厚い霜の層になり、冷却器(エバポレーター)と冷気ダクトをふさいでしまいます(シミュレーションでは当社の症状名「庫内に氷が付く」を使用)。冷却器に接している冷凍室はまだある程度冷えますが、冷気が下段に届かないため、下段は少しずつ温まっていきます。「症状」で「上段は冷えるが下段の冷えが悪い」を選ぶと、もう一つの原因が見られます。電動ダンパーのある機種〔機種による〕で、電動ダンパーが閉じたまま固着している状態です。続けて「修理開始」を押し、技術者がどう修理するか見てみましょう。
もっと詳しく:よくある故障:上段は冷えるのに下段の冷えが悪い
なぜ下段から先に冷えなくなるのでしょうか。下段には専用の冷却器(エバポレーター)がなく、冷気ダクトという細い通り道だけに頼っているからです。冷却器が霜詰まり(冷却器が霜で完全に埋まり、冷気が流れなくなった状態)を起こすと、ファンモーターの風はまず下段に届かなくなります。一方、冷凍室は冷却器カバー(冷凍室の奥にある背面パネル。冷却器を覆います)のすぐ裏にある冷却器に接しているため、伝導によってまだある程度冷えています。そのため「上段は冷えるが下段の冷えが悪い」は、除霜系統の故障の典型的な初期症状です。さらに放置すると、冷凍室までだんだん冷えなくなります。
現場では次の順序で切り分けます。① 両方のドアを開け、冷蔵室のドアスイッチを押したまま(ドアを閉めた状態を再現)、上段と下段に風が来ているかを見ます。どちらにも風がなければ、ファンモーターを確認します。② 上段には風があり、下段にはない場合:冷却器カバーを外し、まず冷却器が霜詰まり/厚い霜の層になっていないかを自分の目で確認します。これを飛ばしていきなり部品を測ってはいけません。霜詰まりがなければ、電動ダンパーのある機種〔機種による〕では、ダンパーが閉じたまま固着していないか、冷気ダクトが食品でふさがれていないかを確認します。③ 霜詰まりがある場合:その場でテスターを使い、除霜関連の3部品(除霜センサー・温度ヒューズ・除霜ヒーター)を測ります。除霜センサー(除霜サーモ。冷却器の温度を検知し、霜が溶けて温まると除霜ヒーターを止めます)は、冷却器がまだ冷たいうちに測ります。タイマー式の機種の除霜センサーは、室温で測るとOL(テスターの表示で、導通なし)になるのが正常です。OLや異常な値を示した部品が故障しています。3部品とも正常なら、タイマー式の機種では除霜タイマーの故障、電子制御の機種では制御基板(PCB)が除霜の指令を出していないことが原因です。④ 霜詰まりがなく、上下段とも風はあるのに冷えが悪い場合:圧縮機(コンプレッサー)の劣化か冷媒漏れを疑います。これは冷媒回路の問題で、修理できません。最初から圧縮機の音を聞こうとしないでください。多くの冷蔵庫は引き出さないと正確に聞き取れません。両側の側面パネルを触るのも判断の補助になります。圧縮機が動いているのに側面パネルが暖かくなければ、多くの場合、冷媒が流れていません。
確認方法:冷却器カバーを外し、霜詰まりが見つかったら、その場で3部品を測ります。お客様が「除霜したら数日は冷えたが、また冷えなくなった」と言うのは除霜系統の故障によくある経過ですが、圧縮機の問題でも一時的に冷えが戻ることがあるため、必ず現場で部品を測って確認します。一時的に冷えが戻っても直ったわけではありません。タイマー式の機種では、除霜タイマーを除霜位置に回せば、その場で試せます。電子制御の機種の一部(例えばSamsungの表示パネルとボタンがあるタイプ)には、強制除霜ができるサービスモードがあります〔機種による〕。他の原因と比べたいときは、「故障シミュレーション」で「上下段とも冷えが悪い」を選び、「原因」で「冷媒漏れ」または「ファンモーターの故障」を選んでください。ファンモーターの故障では冷凍室の中で風の音が聞こえず、両室が一緒にゆっくり温まっていきます。冷媒漏れでは圧縮機は動き続けますが、冷却器に霜がまったく付きません。「ファンモーターの故障」を選んで「修理開始」を押すと、技術者がどう交換するかを見られます。
10. 症状から部品を探す
出張修理では、技術者は症状から部品を探し始めます。「故障シミュレーション」でお客様がよく訴える症状を選ぶと、3Dモデルがその状態を再現し、関係する部品が光ります。続けて「修理開始」を押し、技術者がどう修理するか見てみましょう。ここでは「庫内の水漏れ」を再現します。排水ホースが凍結して詰まり、除霜水が蒸発皿(除霜水をためて蒸発させる受け皿)へ流れ落ちず、下段へ逆流して野菜ケースの下にたまります。根本原因は多くの場合、除霜の熱不足(除霜ヒーターの劣化)です。そのため技術者は氷を溶かしたあと、新しい除霜ヒーターに交換し、同時に伝熱用の銅線(除霜ヒーターの熱を排水口まで伝えて凍結を防ぐ銅線)を1本追加します。一端は除霜ヒーターに3–4回巻き付け、もう一端は排水口に差し込んで排水口の上で渦巻き状に巻き、排水口が再び凍結しないようにします。除霜センサー(除霜サーモ。冷却器の温度を検知し、霜が溶けて温まると除霜ヒーターを止めます)は、測定して不良と確認できた場合だけ交換します。排水ホースの詰まりを解消するだけでは、しばらくするとまた詰まります。
もっと詳しく:症状から部品を探す
お客様が伝える症状の多くは、冷えが悪い、冷えすぎる、庫内に氷が付く、水漏れ、運転音が大きい、ブレーカーが落ちる、のいくつかに分かれます。どの症状も、背後には冷却、送風、除霜、排水、制御のどの系統の問題もありえます。そのため洗濯機と同じく、よく見る → 系統を切り分ける → 安く簡単な所から調べる → 確認してから交換するの順序で進めます。まず、どちらの室が冷えないのか、いつからか、移動や停電がなかったか、ドアがしっかり閉まるか、どれくらい物を詰めているかを詳しく聞きます。冷蔵庫は反応が遅く、1つの室が冷えた状態から温まるまでに丸1日かかることもあります。ドアを開けて少し触っただけで結論を出さず、いくつかの点をすべて見てから判断します。
系統の切り分けは、いくつかの観察を次の順序で行います。両方のドアを開け、冷蔵室のドアスイッチを押したまま、上段と下段に風が来ているかを見ます(送風系統)。冷却器カバー(冷凍室の奥にある背面パネル。冷却器を覆います)を外し、冷却器(エバポレーター)の霜を見ます。霜詰まり(冷却器が霜で完全に埋まり、冷気が流れなくなった状態)/厚い霜の層なら多くは除霜系統の問題で、除霜関連の3部品(除霜センサー・温度ヒューズ・除霜ヒーター)を測ります。入口側の1–2列にしか霜がなければ、下の銅管を触ります。指が張り付くほど冷たければ除霜センサー(除霜サーモ。冷却器の温度を検知し、霜が溶けて温まると除霜ヒーターを止めます)を確認し、張り付かなければ冷媒回路の問題です。霜がまったくなければ、多くは冷媒漏れかキャピラリーチューブ(毛細管)の完全な詰まりです(冷却系統)。最後に、圧縮機(コンプレッサー)が動いているか、両側の側面パネルが暖かいかを見ます。庫内の底に水がたまっていないか、排水ホースが詰まっていないかで、排水系統を確認します。症状名がそのまま部品を示すわけではありません。「上段は冷えるが下段の冷えが悪い」の原因は、除霜ヒーター、除霜センサー、除霜タイマー、電動ダンパー(一部の機種のみ)、ファンモーター、さらには冷媒のこともあります。「庫内の水漏れ」の多くは排水ホースが氷で詰まったものです。根本原因の多くは除霜ヒーターの劣化で、除霜のたびに霜が溶けきらずに残ります。ホースの詰まりを取るだけでは、しばらくするとまた詰まるため、技術者は除霜ヒーターを交換し、同時に伝熱用の銅線(除霜ヒーターの熱を排水口まで伝えて凍結を防ぐ銅線)を追加します。「運転音が大きい」は、ファンの羽根が付着した霜を擦っている場合(除霜系統の故障なので、3部品を測り、さらにファンモーター自体の音も聞きます)もあれば、圧縮機の防振ゴムのずれや劣化の場合もあり、こちらは修理できます。本体の外(下部)の水漏れは、本体背面にある蒸発皿(除霜水をためて蒸発させる受け皿)の割れのこともあり、これは修理できません。排水ホースの外れや詰まりのこともあり、こちらは修理できます。
順序は安く簡単なものから始めます。まず設定、ドアパッキン、設置場所の通気、冷気吹き出し口をふさぐ物がないかを確認します。次に部品交換の要らない作業(氷を溶かす、排水ホースの詰まりを取る)を行います。そのうえで電源を切り、除霜ヒーター、除霜センサー、温度ヒューズ、起動リレー(PTC式。起動の1–2秒だけ起動巻線に電流を流す部品)を測ります。さらに、除霜タイマーや制御基板(PCB)から電気が出ているかを確認します。機内の配線が発火したり溶けたりしたことがある場合は、すぐに通電を止めます。この場合は修理不能です。冷媒回路(圧縮機、冷媒漏れ、配管の詰まり)は最後です。回路を開けるにはろう付け、真空引き、銘板の重量どおりの冷媒充填が必要で、Fixesでは行わず、おすすめもしていません。証拠(例えば冷却器の霜の付き方、圧縮機の連続運転、側面パネルが暖かくないこと)で確認できたら、修理不能報告書を発行し、買い替えをおすすめします。交換後は数時間待ち、両室の温度と1回の除霜がどちらも正常であることを確認して、初めて完了です。
よくある故障
冷蔵庫の「庫内に氷が付く」の原因の一つ
- 原因
- 除霜ヒーターが断線しています。除霜の時間になると圧縮機(コンプレッサー)は通常どおり止まりますが、除霜ヒーターが温まらないため霜が溶けず、回を追うごとに厚くなります。
- 見える症状
- 冷却器(エバポレーター)が厚い霜の層で埋まり、冷気吸い込み口までふさがれています。冷蔵室の冷気吹き出し口から風が出ず、下段が少しずつ温まっていきます。
- 技術者の対応
- 技術者は電源プラグを抜き、冷却器カバー(冷凍室の奥にある背面パネル。冷却器を覆います)を外します。まず冷却器(エバポレーター)の霜を溶かし、次に新しい除霜ヒーターに交換し、同時に伝熱用の銅線(除霜ヒーターの熱を排水口まで伝えて凍結を防ぐ銅線)を追加して排水口まで通します。
修理項目:除霜ヒーターの交換
冷蔵庫の「上段は冷えるが下段の冷えが悪い」の原因の一つ
- 原因
- 電動ダンパー(一部の機種のみ搭載〔機種による〕)が閉じた位置で固着し、ダンパー板が開きません。
- 見える症状
- 冷凍室はいつもどおり冷えていますが、冷気ダクトから下段へ冷気が下りてこないため、冷蔵室がどんどん温まっていきます。
- 技術者の対応
- 技術者は電源プラグを抜き、冷気ダクト上部の電動ダンパーを取り外して、新しいものに交換します。
修理項目:電動ダンパーの交換
冷蔵庫の「上下段とも冷えが悪い」の原因の一つ:冷媒漏れ
- 原因
- 冷媒が漏れています。圧縮機は運転中ですが、冷却器の中に熱を吸収する冷媒がないため、霜が付きません。冷媒回路の故障は、Fixesでは修理しません。
- 見える症状
- 圧縮機(コンプレッサー)は運転を続けていますが、冷却器(エバポレーター)にはまったく霜が付いておらず、触ってもひんやりする程度です。冷却器の近くでは「チョロチョロ」と水が流れるような音が聞こえたり、薬品のようなにおいがしたりすることもあります。冷凍室も下段も一緒に少しずつ温まっていきます。
冷蔵庫の「上下段とも冷えが悪い」の原因の一つ:ファンモーターの故障
- 原因
- ファンモーターが故障し、冷却器(エバポレーター)の冷気を送り出せません。
- 見える症状
- 冷凍室の中で風の音が聞こえず、冷気が吹き出してきません。圧縮機(コンプレッサー)は連続運転になり、両室とも少しずつ温まっていきます。
- 技術者の対応
- 技術者は電源プラグを抜き、冷却器カバー(冷凍室の奥にある背面パネル。冷却器を覆います)を外して、新しいファンモーターに交換します。
修理項目:ファンモーターの交換
冷蔵庫の「上下段ともまったく冷えない」の原因の一つ
- 原因
- 起動リレー(PTC式。起動の1–2秒だけ起動巻線に電流を流す部品)が故障し、圧縮機の起動巻線に電流が流れないため、モーターが回り始めません。
- 見える症状
- 圧縮機(コンプレッサー)が「ブーン」といううなり音を出すものの起動できず、オーバーロードリレー(過負荷保護装置)が「カチッ」という音とともに作動して回路を切り、その後また起動を試みます(間隔は数秒から数分までさまざまです)。圧縮機を触っても多くの場合は熱くなく、両室の温度は上がり続けます。
- 技術者の対応
- 技術者は電源プラグを抜き、圧縮機(コンプレッサー)側面の端子カバーを開けて、起動リレー(PTC式。起動の1–2秒だけ起動巻線に電流を流す部品)を取り外して振ってみます。中から「カラカラ」という音がすれば故障と判断し、新しい起動リレーに交換します。
修理項目:起動リレーの交換
冷蔵庫の「庫内の水漏れ」の原因の一つ
- 原因
- 排水口、除霜水受け、排水ホースが凍結して完全に詰まっています。根本原因は多くの場合、除霜ヒーターです。除霜ヒーターが劣化すると除霜時の熱が足りず、排水口の水が流れきる前に再び凍結し、そのたびに氷が少しずつ増えていきます。
- 見える症状
- 除霜水が排水ホースへ流れ落ちず、冷気ダクトを伝って下段へ逆流し、野菜ケースの下にたまります。
- 技術者の対応
- 技術者は電源プラグを抜き、冷却器カバー(冷凍室の奥にある背面パネル。冷却器を覆います)を外して、まず除霜水受けと排水ホースの中の氷を溶かします。次に新しい除霜ヒーターに交換し、同時に伝熱用の銅線(除霜ヒーターの熱を排水口まで伝えて凍結を防ぐ銅線)を追加します。一端は除霜ヒーターに3–4回巻き付け、もう一端は排水口に差し込みます。除霜センサー(除霜サーモ。冷却器の温度を検知し、霜が溶けて温まると除霜ヒーターを止めます)は、測定して不良と確認できた場合だけ交換します。氷を溶かして詰まりを解消するだけでは、しばらくするとまた詰まります。
修理項目:除霜ヒーターの交換
冷蔵庫の「冷蔵室が冷えすぎる」の原因の一つ
- 原因
- 電動ダンパー(一部の機種のみ搭載〔機種による〕)が全開の状態で固着し、冷凍室の冷気が下段へ絶えず流れ込みます。
- 見える症状
- 下段の温度が氷点下まで下がり、野菜や果物、飲み物に霜が付いたり凍ったりします。
- 技術者の対応
- 技術者は電源プラグを抜き、冷気ダクト上部の電動ダンパーを取り外して、新しいものに交換します。
修理項目:電動ダンパーの交換
冷蔵庫の「ブレーカーが落ちる」の原因の一つ
- 原因
- 除霜ヒーターが漏電しています(例えば、ガラス管が割れて水が入った場合)。通電した瞬間に漏電します。
- 見える症状
- 普段は問題なく冷えますが、除霜が始まって除霜ヒーターに通電した途端、家のブレーカーが落ちて、冷蔵庫全体の電源が切れます。
- 技術者の対応
- 技術者は電源プラグを抜き、まず電源プラグで漏電を測定します。次に冷却器カバー(冷凍室の奥にある背面パネル。冷却器を覆います)を外し、テスト棒の一方を除霜ヒーターのコネクターに差し込み、もう一方を除霜ヒーター本体に当てます。少しでも数値が出れば漏電と判断します。ガラス管をねじると動く場合や、内側が曇っている場合も不良です。その後、新しい除霜ヒーターに交換し、同時に伝熱用の銅線(除霜ヒーターの熱を排水口まで伝えて凍結を防ぐ銅線)を追加して排水口まで通します。
修理項目:除霜ヒーターの交換
冷蔵庫の「ドアパッキンの密閉不良」の原因の一つ
- 原因
- ドアパッキンが硬くなって変形し、その部分が本体の前面フレームに密着しなくなっています。
- 見える症状
- 冷凍室ドアのドアヒンジ側の角で、ドアパッキンが浮き上がっています。暖かく湿った空気が入り込み、ドアの縁に霜が付き、冷却器(エバポレーター)への着霜も特に速くなって、圧縮機(コンプレッサー)が連続運転になります。
システム
冷却系統
圧縮機(コンプレッサー) → 吐出管 → 両側の側面パネルの凝縮器(コンデンサー) → 防露パイプ → フィルタードライヤー(冷媒の水分とごみを取り除くろ過器) → キャピラリーチューブ(毛細管) → 冷却器(エバポレーター) → 吸入管(サクションパイプ) → 圧縮機へ戻る、という1つの密閉された循環です。これは冷媒回路で、Fixesでは修理しません。
対象部品:圧縮機、吐出管、凝縮器、防露パイプ、フィルタードライヤー、キャピラリーチューブ、冷却器、吸入管
送風系統
ファンモーターが冷却器(エバポレーター)の冷気を冷凍室へ送り込みます。その一部は冷気ダクトを通って冷蔵室へ下り(一部の機種はここに電動ダンパーを搭載〔機種による〕)、仕切りを通って上がり、冷却器へ戻ります。
対象部品:ファンモーター、ファンの羽根、電動ダンパー、冷気ダクト、冷却器カバー
除霜系統
除霜タイマーまたは制御基板(PCB)が決まった時間に圧縮機(コンプレッサー)を止め、除霜ヒーターに通電して冷却器(エバポレーター)の霜を溶かします。除霜センサー(除霜サーモ。冷却器の温度を検知し、霜が溶けて温まると除霜ヒーターを止めます)が十分な温度を検知すると除霜ヒーターを止め、温度ヒューズがバックアップとして保護します。
対象部品:除霜ヒーター、除霜センサー、温度ヒューズ、除霜タイマー
排水系統
除霜水 → 除霜水受け(排水口) → 排水ホース → 圧縮機(コンプレッサー)の上の蒸発皿(除霜水をためて蒸発させる受け皿)と流れ、圧縮機の熱で蒸発します。
対象部品:除霜水受け、排水ホース、蒸発皿
制御と電気回路
サーモスタットまたは制御基板(PCB)が、圧縮機(コンプレッサー)をいつ運転するかを決めます。起動リレー(PTC式。起動の1–2秒だけ起動巻線に電流を流す部品)とオーバーロードリレー(過負荷保護装置)が、圧縮機の起動と保護を担います。冷蔵室のドアスイッチは、ファンと照明の両方を制御します。
対象部品:サーモスタット、制御基板、起動リレー、オーバーロードリレー、ドアスイッチ、ランプソケット、電球、電源コード、電源プラグ
ドアとパッキン
2枚のドアは、それぞれ右側のドアヒンジで開閉します。ドア裏側のドアパッキンには磁石が入っていて本体に吸い付き、ドアポケットはドアの裏側に掛けてあります。
対象部品:冷凍室ドア、冷蔵室ドア、ドアパッキン、ドアヒンジ、ドアポケット
本体と断熱材
鋼板の外箱、発泡断熱材、内箱(庫内の樹脂製の内壁)の3層構造です。棚と野菜ケースは内箱に載っています。
対象部品:本体(外箱)、発泡断熱材、内箱、ガラス棚、野菜ケース
部品
- 本体(外箱)
- 外箱は塗装鋼板です。前面フレーム(ドアパッキンが密着する部分)も鋼板なので、ドアパッキンに入っている磁石が吸い付きます。外箱と内箱(庫内の樹脂製の内壁)の間には発泡断熱材が充填されています。
- 発泡断熱材
- 外箱と内箱(庫内の樹脂製の内壁)の間にも、ドアの内部にも発泡断熱材(断面図に見える薄い黄色の部分)が充填されていて、外からの熱の侵入を抑えます。凝縮器(コンデンサー)、防露パイプ、キャピラリーチューブ(毛細管)、吸入管(サクションパイプ)、排水ホースは、いずれもこの中に埋め込まれています。
- 内箱
- 白い樹脂製の内壁で、掃除しやすくなっています。棚と野菜ケースは、内壁の溝に載っています。
- ガラス棚
- 強化ガラス製の棚で、前側に樹脂の縁が付いています。冷気が棚の前後を流れる必要があるため、棚をポリ袋ですっかり覆わないでください。
- 野菜ケース
- 半密閉の引き出しで、湿度を保ち、野菜や果物が乾きにくくなります。庫内で水漏れがあると、水は通常この下にたまります。
- 食品
- 食品を詰め込みすぎないでください。冷気吹き出し口や冷気吸い込み口をふさぐと、温度にむらができます。
- 冷凍室ドア
- ドアの内部にも発泡断熱材が充填されています。ドアの裏側には樹脂製の内板、ドアポケット、一周するドアパッキンがあり、右側のドアヒンジで開閉します。左側の溝が取っ手です。
- 冷蔵室ドア
- ドアを閉めると、ドアの裏側がドアスイッチを押します。するとファンモーターが回り、庫内灯は消えます。ドアを開けるとすぐにドアスイッチが戻り、ファンモーターが止まって照明が点灯します。
- ドアパッキン
- ドアの裏側を一周する軟らかいゴムのパッキンです。前側の部分には磁石が入っていて、本体の前面フレームに吸い付きます。その後ろの蛇腹部は伸び縮みするので、ドアが少しずれていてもしっかり密閉できます。
- ドアヒンジ
- 右側に上・中・下の3つのドアヒンジがあります。上ヒンジは冷凍室ドアを吊り下げ、中ヒンジは2枚のドアの間に挟まれ、下ヒンジは冷蔵室ドアを下から支えます。
- ドアポケット
- ドアの裏側に掛けてある透明な樹脂製の棚で、ボトル入りの飲み物や調味料を入れます。
- 圧縮機
- 圧縮機(コンプレッサー)は、本体下部の背面にある黒い密閉型の鉄製ケースで、中にモーターとピストンが溶接で封入されています。低圧で冷たい冷媒ガスを圧縮し、高圧で高温のガスにします。4本の脚は防振ゴムの上に載っていて、振動と騒音を抑えます。防振ゴムがずれたり劣化したりすると圧縮機の運転音が大きくなりますが、これは修理できます。
- 吐出管
- 圧縮機(コンプレッサー)から出た高温・高圧の冷媒ガスは、この管を通って凝縮器(コンデンサー)へ送られ、放熱します。
- 凝縮器
- 凝縮器(コンデンサー)は、両側の側面パネルの内側に貼り付けられ、発泡断熱材に埋め込まれた放熱パイプです。高温の冷媒が通る間に熱を放出し、少しずつ凝縮して液体に戻ります。そのため、冷蔵庫の側面を触ると温かいのは正常です。
- 防露パイプ
- 凝縮器(コンデンサー)の配管の一部で、前面フレームの裏に埋め込まれています。冷凍室の開口部を一周し(上部、両側、両室の間の仕切り)、さらにドア周りの前面フレームに沿って下へ通っています。前面フレームをほんのり温かく保ち、水滴が付かないようにします。実際の経路は機種によります。
- フィルタードライヤー
- 銅製の小さな円筒で、中に乾燥剤が入っています。冷媒中の水分や不純物を取り除き、キャピラリーチューブ(毛細管)の詰まりを防ぎます。
- キャピラリーチューブ
- 非常に細い銅管で、冷媒の圧力を急激に下げます。長い区間にわたって吸入管(サクションパイプ)にろう付けされ、互いに熱交換します。
- 冷却器
- 冷却器(エバポレーター)は、冷却器カバー(冷凍室の奥にある背面パネル。冷却器を覆います)の内側に隠れている、アルミフィン付きのコイル状の管です。非常に冷たい冷媒が中で沸騰し、通過する空気の熱を奪います。
- 吸入管
- 熱を吸収した低圧の冷媒ガスを圧縮機(コンプレッサー)へ戻します。キャピラリーチューブ(毛細管)とろう付けされ、並んで通っています。
- ファンモーター
- 冷却器(エバポレーター)の上にあり、冷気を冷凍室へ送り込むと同時に、冷気ダクトを通して冷蔵室へも送ります。冷蔵室ドアを開けるとすぐに、冷蔵室のドアスイッチがファンモーターを止めます。
- ファンの羽根
- ファンモーターの軸に取り付けられた樹脂製の羽根です。
- 電動ダンパー
- 一部の機種にのみあります〔機種による〕。冷蔵室の天井の奥、冷気ダクトの上部にある小さなボックスで、中にダンパー板と小型モーターが入っています。冷蔵室の温度に応じて開度を大きくしたり小さくしたりして、冷蔵室へ送る冷気の量を決めます。電動ダンパーのない機種は、一般的に冷気ダクトの大きさとサーモスタット(または機械式ダンパー)で冷気を配分します。
- 冷気ダクト
- 冷気は冷凍室の奥から冷気ダクトの上部(一部の機種はここに電動ダンパーがあります)を通って冷蔵室へ下り、このダクトパネルの冷気吹き出し口から吹き出します。その後、冷蔵室の天井前側にある冷気吸い込み口から仕切りを通って上がり、冷却器(エバポレーター)へ戻ります。
- 冷却器カバー
- 冷凍室の奥にある樹脂製の背面パネルで、冷却器(エバポレーター)とファンを覆っています。上の丸い穴が冷気吹き出し口、下の数本のスリットが冷気吸い込み口です。
- 除霜ヒーター
- 除霜用のヒーターで、ガラス管の中に発熱コイルが入っています。冷却器(エバポレーター)の真下に取り付けられていて、決まった時間に通電し、霜を溶かして水にします。
- 除霜センサー
- 除霜センサー(除霜サーモ。冷却器の温度を検知し、霜が溶けて温まると除霜ヒーターを止めます)は、冷却器(エバポレーター)の出口側の管に挟んで取り付けられています。冷却器が冷えている間は接点が閉じ(オン)、除霜ヒーターが作動できる状態になります。除霜が終わって十分に温まると接点が開き(オフ)、除霜ヒーターを止めます。除霜センサーを交換するときは、必ず冷媒の銅管に挟み、除霜ヒーターに挟んではいけません。
- 温度ヒューズ
- 除霜ヒーターの回路に直列に入っている、一度切れると元に戻らないヒューズです。過熱すると溶断し、除霜ヒーターが熱くなりすぎるのを防ぎます。
- 除霜タイマー
- タイマー式の機種にのみあります。圧縮機(コンプレッサー)の運転時間を積算し、約8–10時間冷却するごとに圧縮機を止め、除霜ヒーターに通電して1回除霜します〔機種による〕。取り付け位置は本体背面の圧縮機の近く、または冷蔵室の照明の近くです。電子制御の機種では制御基板(PCB)が時間を計ります。見分け方:庫内灯が黄色っぽく、温度調節がダイヤル式で、配線図にDefrost Timerの記載があればタイマー式です。白色の照明で表示パネルがあれば、多くの場合は電子制御です。両者では診断も部品もまったく異なります。
- 除霜水受け
- 冷却器(エバポレーター)の下にある樹脂製の受け皿で、除霜で流れ落ちる水を受けます。中央に排水口があります。
- 排水ホース
- 除霜水受けの排水口から発泡断熱材の中を通って本体下部まで下り、圧縮機(コンプレッサー)の上にある蒸発皿(除霜水をためて蒸発させる受け皿)へ水を運びます。
- 蒸発皿
- 蒸発皿(除霜水をためて蒸発させる受け皿)は、圧縮機(コンプレッサー)の上に載っている樹脂製の皿です。除霜水を受け、圧縮機の熱でゆっくり蒸発させます。
- サーモスタット
- 冷蔵室の天井にある温度調節ボックスの中にあり、温度調節ダイヤルがこの部品です。感温管は奥の冷気が下りてくる位置まで伸びていて、冷凍室から吹き下ろされる冷気の温度を測ります〔機種による/要確認〕。十分に冷えると圧縮機(コンプレッサー)を止め、温度が上がると再び運転させます。電子制御の機種では、多くの場合、代わりに温度センサーが制御基板(PCB)へ温度を伝えます。
- 制御基板
- 制御基板(PCB)は、電子制御の機種の「頭脳」です。各室の温度を監視し、圧縮機(コンプレッサー)、ファンモーター、電動ダンパー(搭載機種のみ)、除霜を制御します。取り付け位置は機種によって異なり、3Dモデルでは本体天面の奥に配置しています。
- 起動リレー
- 起動リレー(PTC式。起動の1–2秒だけ起動巻線に電流を流す部品)は、圧縮機(コンプレッサー)側面の端子カバーの中にあり、圧縮機の3本の端子ピンに差し込まれています。圧縮機が起動すると起動巻線に通電し、1–2秒後に自動で切り離します。インバーター圧縮機には起動リレーがありません。
- オーバーロードリレー
- オーバーロードリレー(過負荷保護装置)は、起動リレー(PTC式。起動の1–2秒だけ起動巻線に電流を流す部品)と一緒に端子カバーの中にある円盤形の部品で、中にバイメタルが入っています。電流が大きすぎたり圧縮機(コンプレッサー)が熱くなりすぎたりすると、接点が開いて電源を切ります。
- ドアスイッチ
- 冷蔵室の開口部の右側(ドアヒンジ側)の内箱(庫内の樹脂製の内壁)に1つあり、ファンモーターと照明の両方を制御します。ドアを閉めるとドアスイッチが押され、ファンモーターが回り、庫内灯は消えます。ドアを開けるとすぐにドアスイッチが戻り、ファンモーターが止まって照明が点灯し、冷気が吹き出して逃げないようにします。
- ランプソケット
- 温度調節ボックスの中、ランプカバーの奥にあるランプソケットで、冷蔵室ドアを開けると照明が点きます。
- 電球
- ランプソケットにねじ込まれた小型の電球です。
- 電源コード
- 本体背面から出ている電源コードです。
- 電源プラグ
- 電源コードの先端にある3ピンの電源プラグです。